「誰か(求職者)いませんか?」——顧問先を訪ねるたびに聞かれる一言です。介護・看護の人材不足は、もはや事業の存続を左右する経営危機となっています。本記事では、外国人人材活用の実態から特定技能制度・登録支援機関・申請取次行政書士の役割まで、行政書士の視点を交えて詳解します。
どこも人手不足——介護・看護現場の深刻な実態
厚生労働省の推計によれば、2040年には約69万人もの介護人材が不足すると見込まれています。少子高齢化が加速する日本では、介護サービスへの需要は増え続ける一方、担い手となる若い世代は減少の一途をたどっています。
特に深刻なのが、介護士(介護福祉士・介護職員)と看護師の不足です。有効求人倍率で見ると、介護関連職種は全職種平均の3〜4倍もの水準が続いており、求人を出しても応募がこない状況が常態化しています。
デイサービスを運営する経営者の方々と話すと、「ハローワークに出しても反応がない」「給与を上げても来てもらえない」「やっと採用できたと思ったら1カ月で辞めた」という声が後を絶ちません。スタッフが集まらないと、既存スタッフへの負担が集中し、それがさらなる離職を招く——この悪循環が、多くの事業所で起きています。
人材不足が経営に与える影響
人材不足は単なる「働き手がいない」という問題にとどまりません。介護報酬の加算算定要件を満たせなくなることで、収入が直接減少します。たとえば、処遇改善加算は適切な職員配置が前提となっており、必要な人員を確保できなければ加算を取り下げざるを得なくなります。
また、サービス提供体制強化加算のように資格保有者の割合が問われる加算もあります。外国人人材を活用する場合でも、資格や経験要件を確認した上で計画的に採用することが重要です。
外国人人材を活用するデイサービスが増えている
こうした慢性的な人手不足を背景に、近年は外国人介護士を積極的に採用するデイサービスが増えています。特にベトナム・フィリピン・インドネシア・ミャンマーなどアジア圏からの外国人が多く、日本語を学びながら介護の現場で活躍しています。
外国人介護士を受け入れる制度には複数の種類がありますが、現在デイサービスで最も活用されているのが「特定技能」の在留資格です。
特定技能制度とは——介護現場で活用できる在留資格
特定技能とは、2019年4月に創設された新しい在留資格で、人手不足が深刻な特定の産業分野で即戦力として外国人が働くことを認める制度です。介護分野は対象分野に含まれており、デイサービスでも特定技能外国人の受け入れが可能です。
特定技能1号と2号の違い
特定技能1号は、最長5年の在留期間で、各分野の技能試験と日本語試験に合格した方が対象です。介護分野は現在1号のみ設定されています。
特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人を対象とした上位資格で、在留期間の更新が無制限に可能なため、長期的な人材確保が可能になります。介護分野での2号創設も検討されています。
技能実習制度との違い
混同されがちですが、特定技能は「即戦力として働く」ための制度であり、技能実習は本来「技術を学んで母国へ持ち帰る」ための制度です。2024年には技能実習制度が廃止され、新たに「育成就労制度」として再構築されることが閣議決定されました。
登録支援機関とは——外国人雇用を支えるパートナー
特定技能外国人を受け入れる際、事業者は外国人に対して様々なサポートを提供する義務があります。これを「支援計画」と言い、具体的には事前ガイダンスの提供、出入国時の送迎、住居確保の支援、日本語学習機会の提供、相談・苦情への対応、行政手続きに関する情報提供などが含まれます。
これらの支援を自社で行うのが難しい場合に活用するのが「登録支援機関」です。登録支援機関は、出入国在留管理庁(入管庁)の登録を受けた機関で、事業者に代わって特定技能外国人の生活支援や各種手続きを代行します。
登録支援機関に依頼するメリット
登録支援機関を利用することで、事業者は本来業務に集中しながら外国人採用を進めることができます。主なメリットとして、支援計画の作成・実施を専門家に任せられること、外国語対応(ベトナム語・英語など)が可能なこと、行政手続きに関するアドバイスを受けられることが挙げられます。
吉村行政書士事務所は、外国人人材の採用を検討している介護事業者向けに、登録支援機関と連携したワンストップ支援を提供しています。
申請取次行政書士とは——入管手続きの専門家
在留資格の申請には、多くの書類と煩雑な手続きが伴います。特定技能の在留資格申請においては、申請人(外国人本人)が原則として出入国在留管理局(入管)へ直接出頭する必要がありますが、「申請取次行政書士」は、申請人に代わって入管への申請書類の提出を行う権限を持った専門家です。
申請取次行政書士の役割
申請取次行政書士は、在留資格認定証明書交付申請(新規入国時)、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得許可申請などの業務を行います。
私(吉村行政書士事務所)はこの申請取次行政書士の資格を保有しており、外国人雇用に関する入管手続きを、事業者・外国人本人に代わって直接入管に申請することができます。書類の準備から申請・結果通知まで、一貫してサポートします。
行政書士の視点から——外国人雇用で気をつけるべきこと
外国人を雇用する際、最も注意すべき点は在留資格の確認です。適法な在留資格を持たない外国人を雇用することは、事業者側も「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。採用時には必ず在留カードで在留資格・期限を確認してください。
在留資格の確認は必須
在留カードには在留資格と在留期限が記載されています。「就労制限の有無」欄も必ず確認してください。特定技能の在留資格を持つ外国人は「特定技能1号」などと記載されており、その分野での就労が認められています。ただし、特定技能は特定の産業分野に紐づいているため、介護以外の業務への従事は原則認められない点に注意が必要です。
支援体制の整備が雇用継続のカギ
外国人介護士が長く働き続けるためには、日本語学習支援・住環境サポート・文化的配慮など、継続的なサポート体制が不可欠です。採用して終わりではなく、定着支援まで含めた体制を整えることが、外国人雇用の成功につながります。
書類・手続きのミスは致命的
在留資格の申請書類には厳格な記載要件があり、不備や虚偽記載は申請不許可の原因となります。また、在留期限の更新を忘れると外国人の在留が違法状態になるリスクがあります。専門家(申請取次行政書士)への相談を早めに行うことをお勧めします。
吉村行政書士事務所の外国人人材雇用支援
吉村行政書士事務所は、介護事業者向けの外国人人材活用支援を提供しています。登録支援機関と提携しており、採用前の相談から在留資格申請・定着支援まで、一貫したサポートが可能です。
「外国人採用を検討しているが何から始めればいいかわからない」「特定技能の申請を専門家に依頼したい」という事業者の方は、まずはお気軽にご相談ください。
吉村行政書士事務所について
行政書士・申請取次行政書士の資格を保有。登録支援機関と連携し、介護事業者の外国人人材雇用をトータルサポートします。
まとめ——人材不足に悩む事業所に寄り添う専門家として
介護現場の人手不足は、今後さらに深刻化することが予測されています。外国人人材の活用は、その解決策の一つとして有効ですが、適切な在留資格の取得・支援体制の整備・入管手続きへの対応など、専門的な知識が必要な場面が多くあります。
吉村行政書士事務所では、申請取次行政書士として外国人雇用に関する法的手続きを専門的にサポートするとともに、登録支援機関と連携することで採用後の生活支援まで一貫して対応できる体制を整えています。
人材確保に悩む介護事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。